下肢静脈瘤の診療について
小樽・後志地区をはじめ、札幌・旭川・函館・釧路・帯広など、北海道各地から多数の方にご来院いただいております。
下肢静脈瘤とは? |
・足の血管がボコボコと膨らんでいる。
・足がむくんで重だるくなる。
・なかなか治らないかゆみ・湿疹がある。
・夜中によく足がつる。
これらの症状は、下肢静脈瘤が引き起こす症状です。
足に流れた血液が心臓に戻るための血管が「静脈」ですが、この静脈が逆流して、老廃物のたまった血液が足に溜まってしまい、足のむくみや倦怠感のほかに、足がつったり湿疹ができる病気です。
女性に多い病気で、立ち仕事、出産、遺伝が原因で起こるといわれています。立ち仕事を続けたり、歳をとるにつれ、徐々に静脈瘤は進行します。
放置している方が非常に多いのですが、適切な治療を行うことで、足の健康を回復できる病気です。
手術療法、硬化療法、弾性ストッキングによる圧迫療法といった治療法がありますが、正確な検査を行い、適切な治療法を施すことがとても大切な病気です。
下肢静脈瘤の検査 |
当院では、「空気容積脈波検査」と「血管エコー検査」を行って、下肢静脈瘤の精密検査を行います。
「空気容積脈波検査」は、足をビニール製の袋で包み、むくみ具合を調べる検査です。
「エコー検査」は、足全体を超音波で観察する検査です。
(どちらの検査も、体の負担や痛みは全くありません。)
熟練した医師・技師がこれらの検査を行うことで、逆流の有無・程度・範囲や静脈の走行を正確に調べることができます。
正確な検査を行うことで、
・どのような治療が適切なのか
・本当に手術が必要なのか
・放置した場合、どのような症状が出るのか
・手術した場合、本当に症状が改善するのか
などの判断が可能です。
また、手術が必要となった場合でも、
・静脈を抜く手術が良いのか
・レーザー手術が良いのか
・どの範囲の静脈に治療を施すべきか
といった判断を正しく行うことができますので、とても質の高い手術を提供することができます。
下肢静脈瘤の治療 |
治療法には、①圧迫治療、②硬化治療、③手術療法(静脈抜去術やレーザー治療)があります。
「圧迫治療」は弾性ストッキングで圧迫する治療法で、足のむくみや倦怠感の改善に非常に効果的です。
手術を受けるほど静脈瘤がひどくない方や、手術を希望されない方には、まず弾性ストッキングをお勧めしています。
しかし、ご自分の足に合った弾性ストッキングを用いなければ、効果が不十分だったり、圧力が強すぎて足の血流を悪くしてしまう場合がありますので、注意が必要です。
当院では、弾性ストッキング・コンダクターの資格を有するスタッフが適切なストッキングを選び、着用方法の指導を行っています。
「硬化療法」は、静脈瘤に薬剤を注射して固めてしまう方法です。
硬化療法は、クモの巣状にモヤモヤした静脈瘤や、細い静脈瘤にはとても効果的です。
しかし硬化療法単独では、病気の根本原因(逆流)を治していませんから、将来再発する可能性あります。
「手術療法」には、静脈抜去術(ストリッピング手術)と血管内治療(レーザー・高周波・グルー治療)があります。
「静脈抜去術(ストリッピング手術)」は、逆流している静脈を引き抜く手術です。下肢静脈瘤の治療法として100年以上前から行われている歴史のある手術法です。
抜き去る血管は足の表面にある表在静脈です。深部静脈に異常がなければ、表在静脈を手術で抜いてしまっても、血流は問題ありません(深部静脈の状態はエコー検査で判断します)。
かつて静脈抜去術は、全身麻酔や下半身麻酔で行っていたため、数日~1週間程の入院が必要でしたが、現在では、麻酔法・手術法の進歩により、日帰りで静脈抜去術を行うことが出来るようになりました。
※ 当院では、「逆行性PINストリッピング」と「スタブ・アバルジョン」という手術法を採用し、数ミリの小さな切開で静脈を抜去しています。
「血管内治療(レーザー・高周波・グルー治療)」は、逆流している静脈にカテーテルを挿入して、血管の中から熱や接着剤によって血管を閉塞させる治療法です(足の付け根から膝あたりまでの範囲の静脈を閉塞させます)。
現在、全国的に血管内治療が広く普及しておりますが、手術後の痛みやつっぱり、再発(副伏在静脈の再発)や重大な合併症(深部静脈血栓症、肺塞栓症)、アレルギー反応などの報告もありますので、治療を受ける際には、合併症やリスクの説明を十分受ける必要があります。
なお、当院では、全ての治療を保険診療で行っております(保険外の手術は行っておりません)。
当院での日帰り手術の場合、手術日のお支払いは、3割負担の方で4万円前後(片足)、1割負担の方で1万8千円前後です。
全て保険診療の手術を行っていますので、生命保険にご加入の方は、手術給付金を受け取ることが出来ます(ご加入の保険内容によっては受け取ることが出来ない場合がありますので、あらかじめ保険会社にお問合せ下さい。お問合せの際には、日帰り手術(入院なし)であることをお伝えください。
当院の下肢静脈瘤治療の特色 |
専用医療装置による診断と治療法の選択
空気容積脈波検査と血管エコーによる客観的な診断のもと、病状に合わせた治療法を提案します。
痛みや体の負担が少ない検査・治療。
手術の際は、局所麻酔に静脈麻酔(鎮静剤の点滴)を併用して行います。
手術中は常時生体モニターによる安全管理のもと行います。
手術後は専用のリカバリールームで一時間ほど管理し、帰宅となります。
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